「心って、脳の中にあると思いますか?」
もしそう聞かれたら、
ほとんどの人が「はい」と
答えるかもしれません。
でも最近の研究では、
こんな新しい考え方が登場しています。
“心”は脳の中だけで完結しているのではなく、
私たちの身体や、周囲の環境との関係の中で生まれている。
これは、
「拡張された心(The Extended Mind)」
と呼ばれる理論で、
アメリカの哲学者アルヴァ・ノエ氏や、
神経科学者のデヴィッド・チャーマーズ氏たち
によって
1998年に提唱されました。
彼らの論文
『The Extended Mind』は、
心が脳内だけで完結する
ものではなく、
身体や環境との相互作用によって
形成されるという
考え方を提唱しています。
この理論は、
認知科学や哲学の分野で
大きな影響を与え、
心の在り方についての
新たな視点を提供しました。
たとえば──
●手のひらにふれたあたたかさ。
● 風の音や、鳥のさえずりにふっと心が落ち着く感覚。
● 誰かのまなざしに、なぜか安心するとき。
こうした“心の動き”は、
脳だけで起きている
のではなく、
身体や環境が
一緒に反応している証拠で
「拡張された心(The Extended Mind)」
の理論にも通じる考え方です。
-
直感は、頭の中ではなく、
上から/外からやってくるように感じる
そういった感覚や、
-
魂は身体を包むように存在している
という理論も、
「心は広がっている」
という科学的視点と
共鳴していると感じています。
私たちは、
何かを感じるとき、
ただ“脳の中で処理している”
だけではありません。
心は、体を通して感じ、
環境とのやりとりの中で
育っていくもの。
だから私は思うのです。
「スピリチュアルって信じますか?」
という問いかけよりも、
「あなたは、心が何かに反応して
動いた瞬間がありますか?」
という問いかけの方が、
本当の意味での
スピリチュアリティに
つながっているのではないかと。
あなたは、
どこに
“心”があると感じますか?