今日は、
私が看護師として
働いていた時に体験したお話を
少しだけ綴ってみたいと思います。
「スピリチュアルなんてあやしい」──
そんなふうに
思われる方も
いるかもしれません。
けれど、
日本では不思議なことに、
お医者さんの言うことは
自然と信じるのに、
“スピリチュアル”
という言葉には、
構えてしまう人が多い
と感じます。
でも、実は──
その“科学の最前線”である
医療の現場にも、
スピリチュアリティが
とても大切にされている場面がある
ことをご存知でしょうか?
私は看護師として働いていた頃、
人生の最期の時間を迎えようとしている
患者さんと、
その旅立ちを見届けるご家族に
幾度も立ち会ってきました。
呼吸や心拍が徐々に弱まり、
ご家族に最期のお別れを
していただく時間。
そんなときに、必ず
ご家族にお声がけする
言葉があります。
「患者様は、意識がないように見えても、
声は聞こえています。どうぞ話しかけてあげてください。」
これは、私個人の信念というよりも、
臨床現場では“当たり前”の対応でした。
そんなとき、
患者さんの表情や
まぶたがわずかに動いたり、
涙を流されることも、
実際にあるのです。
ご家族全員が
病室に到着してから、
患者さんの心拍が止まる──
そんな出来事も、
現場では決して
珍しいことではありません。
科学的にも、近年では
「臨死体験(NDE)」の研究が進み、
脳の活動が停止した後でも、
“意識”や“聴覚”が残っている可能性
が示唆されています。
アメリカの研究チーム
(ブルース・グレイソン氏など)によると、
脳の反応がゼロに近づいた
とされる患者の多くが、
「医師や家族の声を覚えていた」
「診察中の会話を再現できた」
といった報告を残しています。
日本でも、
現場の医師が
「意識のない患者の前で、
不用意な言葉は避けるべき」
と語るなど、
“聞こえている”可能性は
医学的にも重視されています。
私はこのような声かけを、
疑うことなく自然に行ってきました。
しかし、
看護師を離れて
一般の職場で働くようになって
気づいたのです。
「ああ、日本では“スピリチュアル”という言葉に、
こんなにも距離を置いてしまう人が多いんだな」と。
けれど、
現場にいた私は知っています。
たとえモニターに反応がなくても、
たとえもう言葉を交わせなくても、
そこには、たしかに“心”が残っている──。
それは、
脳の中だけにあるのではなく、
身体や空間、人とのつながりの中に
広がっているもの。
それは──
「魂」かもしれません。