「スピリチュアル」
という言葉を聞くと、
「なんだかあやしい」
「非科学的」
「宗教っぽい」——
そんな印象を持つ方も、
まだ多いかもしれません。
確かに日本では、
「スピリチュアル」という言葉が
占いや神秘体験のような
イメージと結びつけられることが
少なくありません。
けれど本来の
「スピリチュアリティ」とは、
そうしたものとは異なる、
人間にとって本質的で普遍的な感覚
なのです。
スピリチュアリティの定義とは?
スピリチュアリティは、
さまざまな専門分野で定義されています。
たとえば、日本看護科学学会では
こう定義されています。
「人間の尊厳や存在意義などを表現するものであり、
その人にとっての意味や価値、信念をどのように捉え、
どう生きるかに関連するもの」
(日本看護科学学会「用語解説」より)
また、オックスフォード英語辞典では、
“The quality of being concerned with the human spirit or soul as opposed to material or physical things.”
(人の精神や魂に関心を持つ性質。物質的・身体的なものとは対比されるもの)
さらに、世界保健機関(WHO)では、
健康の構成要素として
”身体・精神・社会的健康に加え「スピリチュアルな健康」”
も挙げられています。
つまりスピリチュアリティとは、
「どんな価値観で生きているか」
「何を信じているか」
「人とのつながりの中で、
自分はどう在りたいか」
といった、
その人が“その人らしく”生きるための軸
とも言えるのです。
どうでしょう?
思っていた内容と違っていた
でしょうか?
スピリチュアリティは、
看護の現場でも
大切にされている視点です。
私は以前、
看護師として働いていました。
その経験の中で、
患者さんの「心」を支える場面に
多く立ち会ってきました。
これらの定義を踏まえ、
看護師としての経験を通じて、
スピリチュアリティが
どのように
患者さんのケアに
影響を与えたか
いくつか記事を
書いてみたいと
思います。