看護師として働き始める前、
病院への配属先を
決める時期がありました。
実は、私にはふたつの
「お誘い」がありました。
ひとつは、精神科の教員の先生から。
もうひとつは、産婦人科の教員の先生から。
精神科での実習記録を見た先生が、
ある日、私にこう言いました。
「あなたに、患者さんがこんなことまで話したの?
ふつうは、こんなに心を開かないのよ。
精神科に向いているから来ない?」
そして産婦人科でも──
「あなたの実習の様子、とても良かったわ。
うちの科に来ない?」
私にとっては、
どちらもありがたいお誘いでした。
でもそのときの私は、
「精神以外の疾患ももっと勉強したい」
という思いが強く、
どちらのお話も、丁寧にお断りしました。
今になって思います。
あのとき、
あの二つの道のどちらかに進んでいたら──
今の仕事と、
もっと早く出会えていたのかもしれない。
そう、私は今、
スピリチュアルライフコーチとして、
人の心に向き合う仕事をしています。
その意味では、
あのときいただいたお誘いは、
私の魂の目的と深くつながっていたものだった
のかもしれません。
なぜそのとき選ばなかったのか?
たしかに、
私には救急看護への憧れもありました。
かっこいい、という気持ちもあったと思います。
私は直感が強い方ですが、
あのときばかりは、
“選択”を少し誤ってしまった
ような気がしています。
けれど、
人生での経験はすべて、必要なことが起きています。
たとえあのとき選ばなかった道に
後悔が残っていたとしても、
その選択は、遠回りのように見えて、
私に必要な経験と学びを
もたらしてくれました。
人生のどの時点からでも、
人は自分らしい幸せを
見つけていくことができます。
もし今、
あなたのもとに
ふっと舞い込んできた“お誘い”があるなら──
少しだけ勇気を出して、
身をゆだねてみるのも、
いいかもしれません。